COLUMN住まいのコラム

石川県の家づくりを徹底分析 データから見る成功の鍵 Vol.2

イエタッタ編集部
2024.01.05

一級建築士が解説! 

住宅に実際にかかった 石川県の平均予算と予算の考え方

 イエタッタカウンター利用者の予算事情

家づくりの大きな心配事が予算のこと。目安もわからなければ、住宅会社から出た見積もりが妥当なのかもわからないのが実態です。そこでイエタッタカウンター利用者の契約金額から平均値を知り、予算の立て方をイメージしてみましょう。

1.住宅会社との平均契約金額

※調査期間は2020年7月から2023年6月までの間に住宅会社と契約した利用者。

コロナ以降、ウッドショックと呼ばれる木材価格を中心にありとあらゆる建築材料が値上がりしました。予算の目安を知るため、友人知人に聞くことは多いでしょうが、コロナ以前に家づくりをした方の予算感はもう参考になりません。そこで弊社運営のイエタッタカウンターを介して家づくりをした方のデータを参考にしてみましょう。ここで記すのは住宅会社との請負契約金額。

建物だけではなく駐車場程度の外構等も入った金額で、住宅会社に支払う全ての金額となります。ずばり平均は税込2834万円、中央値は2722万円です。土地がない場合は、これとは別に土地の購入費用がかかります。平均2834万円という請負契約金額を安くするには、大きく2つの方法しかありません。1つ目は、性能を低く抑えること。基本的には耐震性能や断熱性能、使う材料等、性能とコストは比例関係になっているからです。2つ目は、面積を小さくすること。住宅は沢山の材料の組み合わせでできており、面積が小さくなると使用量が減り、取り付けの作業量も減るからです。自分たちのライフスタイルに適している範囲でうまくコントロールしていきましょう。

2.引き算で考える予算構成

家づくりには前項の請負契約金額以外にも様々な費用がかかります。構成は上記の通り①~⑥の項目となっています。まず、土地がない場合 「①.土地取得費用」 が必要です。これは不動産会社に支払うお金となります。前項の請負契約金額は②~④の金額を足したものです。よく坪単価という言葉を耳にしますが、これは 「②.建物本体工事費」 を表しています。坪単価は請負契約金額の一部であり、「 ③.建物付帯工事費」 と呼ばれる坪単価以外の金額がかかることに注意しましょう。また、見積書の作成手順上、最後に 「④.工事の消費税」 を計算をすることが多いため、住宅会社の方が口にする金額の話は、税抜で発言していることが多いことに注意してください。お金の話になった際、税込か税抜か確認する癖付けをしておくといいでしょう。「 ⑤.諸費用」 は、家づくりをするにあたって様々な手続きが必要で、その都度かかる手数料を意味しています。ここまでの費用は住宅会社の資金計画書で表記してくれることが多いですが、表記されないけどかかるのが 「⑥.家具家電購入費」 です。多くの方が新居に合わせた家具家電を購入し、往々にして賃貸暮らしよりも良いものを購入することがほとんど。「⑤.諸費用」と「⑥.家具家電購入費」の目安は、請負契約金額の5~10%は必要と考えておきましょう。これらを1から6の順番に足し算をすると予算オーバーになってしまうため、 家づくり全体の総予算を設定し、そこから引き算していくイメージで予算を考えていくと上手くいくでしょう。

先に決断しなければいけない土地で予算オーバーになる方が多い。その場合、性能を抑えるか、面積を小さくしなければいけないとイメージしておきましょう。

 

 

3.暮らし全体で考える予算計画

予算計画で失敗しがちな人は、家づくりのお金のことだけを考えてしまうことが原因です。そうならないためには、住宅ローンとして借りられる予算ではなく、暮らし全体を成り立たせることができる予算で考えることが大切。一般的に住居費は年収の30%と言われています。そのうち住宅ローンの占める割合が20~25%、残りが固定資産税や火災保険料、将来のリフォーム積立と考えるのが理想的。イエタッタカウンター利用者の額面の世帯年収は平均685万円。35年払い、金利1%、月収の20%で考えると、借入可能額は4,044万円(シュミレーターにより算出)。金利を含めた総支払い額は4,794万円、月の支払い額は11.4万円。そのため、金利を除いた家づくりに使える予算4,044万円になります。利便性の高い土地での家づくりは難しいですが、郊外であれば十分土地探しからの家づくりが可能でしょう。ただし、各家庭によって支出のバランスが異なることや、年齢が若くて収入がどうしても低い等、各家庭の事情によっては前述の考え方が当てはまらないことが多いです。そこでおすすめしたいのが、ファイナンシャルプランナーと一緒にライフプランを立てることです。ライフプランとは、今後の人生の収入と支出をシミュレーションすること。つまり、将来の暮らし全体で家づくりの予算計画を立てることになります。家が立派でも旅行に行けない、子どもの教育資金が足りない等が起きると、きっと満足した暮らしとは言えないはずです。住宅ローンは長く分割して支払うものだからこそ、予算計画も長い目で見て考えて決めていきましょう。


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解説:一級建築士 鶴見哲也

1986年石川県かほく市出身。新潟大学大学院修了後、金沢市の設計事務所や住宅会社で8年半建築設計業務に従事。2019年(株)ミライエ・カンパニーに転職し、メディアの立場から家づくりをわかりやすく、失敗しないようサポート。イエタッタカウンターでは勉強会や個別予約で直接相談可能

 

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